なぜそうなるか

有効期限が切れた商品券は使えなくなる——資金決済法が発行者に払戻しを求めているのは、発行の業務をやめたときなどでした

年末の片づけで、古い封筒から商品券が出てくる。いただき物のギフトカードが、財布の奥で忘れられている。券面をよく見ると、小さな字で日付が入っていて、それがもう過ぎていた。

こういうとき、まず浮かぶのは「もう使えないのか」「お金に戻せないのか」という二つの問いでしょう。

商品券やプリペイドカードは、前もってお金を払って手に入れるものです。払った分が残っているのに、日付を過ぎただけで消えてしまうのかどうか。ここが分からないまま、捨てるか取っておくかを迷う方も多いはずです。

期限が書かれていない券もあります。書かれていなければずっと使えるのか。発行した会社が店をたたんだら、どうなるのか。問いは一つでは済みません。

そこで、日本資金決済業協会が消費者向けに載せているQ&A、金融庁の「商品券(プリペイドカード)の払戻しについて」の頁、資金決済法と同法施行令の条文を開き、有効期限と払戻しについて書かれていることを並べました。

特定の買取店を選ぶための記事ではなく、換金率や相場も扱いません。手元の券がどの決まりに当たるかは、最後に必ず券面と発行者の案内で確かめてください。

この記事でわかること
・有効期限を過ぎた商品券やプリカは使えなくなる、と協会のQ&Aは書いている
・期限があるときは、その期限を利用者に知らせるよう資金決済法が発行者に求めている
・発行の日から6か月内に限って使える券は、資金決済法の前払式支払手段の章の外に置かれている
・法が払戻しを求めているのは、発行の業務をやめたときや登録を取り消されたときなど
・その払戻しは、60日を下らない期間内に自分から申し出る必要がある

期限を過ぎた商品券は、もう使えないの?

日付を過ぎた商品券やカードは、お店で出しても受け取ってもらえない?

日本資金決済業協会のQ&Aによれば、有効期限を過ぎたものは使えなくなります。

協会のQ&Aには、有効期限だけを尋ねる一問があります。

商品券やプリカ、ネット上で使えるプリカには有効期限が設定されているものがあり、有効期限を過ぎた商品券やプリカ、ネット上で使えるプリカは使えなくなりますので注意が必要です。

期限をどこで見るかも、同じ答えの中にあります。

有効期限は商品券やプリカに表示されていますので必ず確認しましょう。

期限は、券面に書かれているものとして扱われています。ネット上で使えるプリカは、発行者のウェブサイトで確かめるよう案内されています。

期限を知らせるのは、発行者の義務?

資金決済法の第13条は、前払式支払手段を発行するときに利用者へ知らせる事項を並べています。その三つ目が、使える期間や期限です。

物品等の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品等の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限

期限を設けたなら、その期限を知らせることが発行者に求められています。協会のQ&Aも別の問いで、資金決済法が有効期限などを利用者に周知するよう定めていると書いていました。

6か月で切れる券は、扱いが違うの?

期限がとても短い券にも、同じ決まりが当たる?

発行の日から6か月内に限って使える券は、法の前払式支払手段の章を適用しないとされています。

資金決済法の第4条は「適用除外」の条です。書き出しはこうです。

次に掲げる前払式支払手段については、この章の規定は、適用しない。

並ぶ項目の二つ目が、期間の短いものです。

発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段

その「一定の期間」を決めているのが、施行令の第4条第2項です。

法第四条第二号に規定する政令で定める一定の期間は、六月とする。

発行の日から6か月内に限って使える券は、前払式支払手段の章の外に置かれています。第13条と、次に読む第20条は、どちらも同じ第二章「前払式支払手段」に入っている条です。ここから、6か月内に限る券には第13条や第20条の決まりが及ばないと読めますが、これは当方の条文の読みです。手元の券がどちらに当たるかは、発行者に確かめてください。

期限の前でも、お金に戻せるの?

使う予定がなくなった券は、発行者に返して現金にしてもらえる?

協会のQ&Aは「原則として、払戻しはしてもらえません」と答えていました。

使えるお店が近くにない場合を尋ねる問いへの答えです。

原則として、払戻しはしてもらえませんが、やむを得ない事情のときは払戻しをしてもらえることもあります。

例外に当たるかどうかを決めるのは誰か。これも同じ答えの中にあります。

ただし、利用者のやむを得ない事情かどうかは発行者の判断によりますので、発行者に問い合わせて確認しましょう。

法の側では、第20条第5項が、定めた場合のほかの払戻しを発行者に禁じています。

前払式支払手段発行者は、第一項各号に掲げる場合を除き、その発行する前払式支払手段について、保有者に払戻しをしてはならない。

同じ項のただし書きは、払戻金額が少額の場合などを内閣府令で定める例外としています。協会のQ&Aは、お釣りを出すことも払戻しに当たるとし、お釣りがもらえるかどうかは発行者に問い合わせるよう案内しています。

払戻しの決まりが働くのは、どんなとき?

発行した会社が券の取り扱いをやめたら、残った分はどうなる?

第20条第1項は、発行の業務をやめた場合などに、発行者が払い戻さなければならないと定めています。

第20条第1項が挙げる場合の一つ目です。

前払式支払手段の発行の業務の全部又は一部を廃止した場合(相続又は事業譲渡、合併若しくは会社分割その他の事由により当該業務の承継が行われた場合を除く。)

二つ目は、第三者型発行者が登録を取り消された場合です。協会のQ&Aは、発行の業務が廃止されたとき、期限のない券でも使えなくなると書いたうえで、こう続けていました。

その場合は、有効期限があらかじめ設定されていないものであっても使えなくなりますので、注意が必要です

払戻しは、黙っていても届くの?

届きません。払戻しは、決まった期間内に自分から申し出る手続きです。金融庁の頁の説明です。

保有者は、払戻しの申出期間内に発行者に対して申出をすることによって、払戻しを受けることができます。当該期間内に申出をしないと、この手続き(資金決済法に基づく払戻手続)による払戻しが受けられません。

期間の長さは、協会のQ&Aの別の問いに出てきます。

ただし、払戻しの手続きにしたがって60日以上の一定期間内に利用者から申し出る必要があることを覚えておきましょう。

いま払戻手続を実施している発行者の一覧は、金融庁の頁から表計算ファイルで開けます。

この記事で確認したこと

期限の切れた商品券と払戻しの決まり
・有効期限を過ぎた商品券やプリカは使えなくなる(日本資金決済業協会のQ&A)
・期限を設けたときは、それを利用者に知らせる(資金決済法第13条)
・発行の日から6か月内に限って使える券は、前払式支払手段の章を適用しない(法第4条・施行令第4条第2項)
・払戻しは、発行の業務の廃止などの場合に発行者が行う(法第20条第1項)
・それ以外の払戻しは原則として行わない(法第20条第5項)
・払戻しを受けるには、60日を下らない期間内に自分から申し出る(法第20条第2項・金融庁・協会のQ&A)

よくある質問

期限が書いていない商品券は、いつまでも使えますか

協会のQ&Aの答えは「有効期限があるものとないものがあります」です。ただし、期限のない券でも、発行の業務が廃止されれば使えなくなると同じ答えの中で注意しています。

期限切れの券を、発行者に頼めば使えるようにしてもらえますか

今回読んだ出典には、期限を過ぎた券の扱いを発行者がどう決めるかは書かれていませんでした。券面の注意書きや約款、発行者の案内で確かめてください。

払戻しの手続きが始まったことは、どこで分かりますか

金融庁の頁は、発行者がホームページや日刊新聞紙、店頭の掲示などで知らせると書いています。金融庁の頁からは、払戻手続を実施している発行者の一覧も開けます。

この整理が変わる条件


出典

手元の券は、まず券面の日付と発行者名を見て、その発行者の案内を開いてください。

当方が上の出典を引いて確かめた日:

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